しばらくなのねえと喋っていた母さんが不意に俺を呼ぶ。

「要、あんたもちゃんとお別れしなさい」

言いながら俺をなのねえの前に立たせる。

「あのドジななのねえが東京で一人暮らしとか大丈夫なのかよ」

いつからかなのねえに対して憎まれ口しか出てこなくなった俺の口からは、こんな日でもやっぱりそんな憎まれ口しか出てこなかった。

「もう!私だってしっかりしてるところはしっかりしてるよ。

かなちゃんと違って大人なんだもん。大丈夫です」

ーチク

胸を張って両手を腰に当てながらそんなことを言うなのねえにまたあの嫌な感覚が流れ込む。

なんなんだよ、一体。