届くなら、あの日見た空をもう一度。


「分からない?じゃあ質問変えるね。

私のことちゃんと見てくれてる?」

加藤が何かを探るような目で見てくる。

こいつは何を言ってるんだ?

何がしたいんだ?

分からないことばかりで言葉が出てこない。

「宮瀬君て大人っぽく見えてたけど意外と中身ガキだよね」

なんでそんなこと加藤に言われなきゃならないんだ。

「なんなの、おまえ」

少し怒気を含んだ声にもなんの反応も示さず加藤は俺を真っ直ぐに捉え続ける。

それがめちゃくちゃ不快だった。

「優香、宮瀬君、何してるのー。プリクラできたよー」

その日は結局そのまま解散になり、加藤とはそれ以上言葉を交わすことはなかった。