仕方なく歩調をなのねえに合わせて並んで歩く。 それが精一杯だった。 ただそれだけのことで俺の心臓はバクバクと脈打ち、くすぐったいようなそれでいて自分が世界で一番幸せな人間のような感覚にさせた。 「かなちゃん部活帰り?」 「そう。ってかいい加減その呼び方やめろよな」 「えー。だってかなちゃんはかなちゃんだもん。 私の中でそれは絶対に変わらない大切なことなんだよ」 ーチク あなたはいつまでたっても子供。 そう言われた気がした。