もう無理だ。 だって言い逃れなんかできない。 気づかないふりなんかできない。 それだけはっきりと、確かに自覚する。 俺は初めて…… 恋をしたんだ。 「おう」 ほとんど吐き捨てるように、自分でもびっくりするくらいそっけない声が出た。 「久しぶり。元気にしてた?今日も暑いね」 なのねえはそんなこと気にする様子もなく、毎日会っている友達に話すようになんの緊張もなく自然に俺の隣にきてそんなことを言った。