だって彼女とはもうずっと。 それこそ物心がつく前から一緒で。 血こそ繋がってないけど家族みたいなもので。 飽きるほど顔も合わせてきて。 それなのになんで。 いままでなんともなかったのに……。 なんで今更。 できることならこのまま振り向かず走って逃げたかった。 でも俺の中身はどうしようもなく彼女を求めていて。 俺の体なのに俺の意思には全く耳を貸してくれなくて。 ゆっくりと、でも確然と俺の目は彼女の姿を捉えていた。