届くなら、あの日見た空をもう一度。


だって彼女とはもうずっと。

それこそ物心がつく前から一緒で。

血こそ繋がってないけど家族みたいなもので。

飽きるほど顔も合わせてきて。

それなのになんで。

いままでなんともなかったのに……。

なんで今更。

できることならこのまま振り向かず走って逃げたかった。

でも俺の中身はどうしようもなく彼女を求めていて。

俺の体なのに俺の意思には全く耳を貸してくれなくて。

ゆっくりと、でも確然と俺の目は彼女の姿を捉えていた。