はぁー


まったく進まない 。



こんなの放課後までに終わらせるなんて
ムリにきまってる 。




「 木野山 柚莉愛 、 ちょっと来い 。 」



・・・えっ・・・?




いきなりの事で何がなんだか分からない 。



柚 「 ちょっと !! 離してっ!! 」




それでもそいつはあたしの手を離さない 。




ガチャっ・・・・・・




?「 來翔おせぇーよ !! 」

?「 何してたんですか・・・って・・・ 」

?「 誰?その子 。 」


來 「 龍王の姫にする 。 」


・・・・・・・・・・・・



・・・姫・・・?・・・龍王の姫って言った?



柚 「 ななな 、 何言ってんのよ !! 」


來 「 もう決めたから 。 」


柚 「 何であたしが姫にならなきゃいけないのっ !!
それにっ・・・・・あたし・・・
1 週間前にきたばっかで友達も居ないし・・・ 」


・・・あたし何言ってんだろ 。
友達が居ないなんてこの人達には関係ない事なのに・・・ 。



來 「 だから?そんなの関係ねぇーだろ 。 」



やっぱり・・・ 。



柚「 けどっ・・・ ほら 、 あたしなんかと仲良くしてると・・・・・ 」


來 「 何?」






変な目で見られちゃうよ・・・・・・ 。






?「 おーい 。 俺らの事忘れてない?」


來「 ・・・わりぃ 。 て事でさっきも言った通り 、 コイツ姫にするから 。 」


逞「 すっげぇ可愛いし大歓迎だよ !! 俺の名前は
佐藤 逞 ( さとう たくま ) よろしくねー ♪ 」

琉「 まぁ 、 來翔は言い出すときかないからな 。
俺は鍵山 琉弥 ( かぎやま りゅうや ) よろしく 。 」

?「 めーーーっちぁ可愛いー ♪ 俺のことは翔夜 ( しょうや ) って呼んでね ♪ 」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まってよ 。

誰が ・・・ 姫になるって言ったよ 。


來「 コイツは木野山 柚莉愛 、 仲良くしてやれ 。 」

逞琉翔 「 もっちろん !! ( ああ 。 ) 」


柚「 ・・・まってまってまって 。
あたし姫になるなんか言ってないんだけど 。 」


來「 もう決めたってさっき言ったろ?
お前のことは俺らが守る 。 」




どうして・・・



どうして初めて会ったのに





守る 。


だなんて言えるの・・・?・・・




來「 柚莉愛っ !! 」




あたしは気が付くと

お兄ちゃんが居る数学準備室に来ていた 。



健 「 柚莉愛?・・・どうした?何かあった?」


お兄ちゃんは

泣いているあたしを見て少し焦っている 。


柚「 ・・・っ。・・・何でっ何であたしなんかにっ・・・ 」



お兄ちゃんもアイツらも


何であたしなんかに優しくするのっ・・・?



なんでなんでなんでっ・・・




健「 ・・・柚莉愛落ち着け 。 な? ほらおいで 。 」


お兄ちゃんはいつものように


あたしを抱きしめた 。



柚 「 ぐすっ・・・っっ。」



健 「 柚莉愛?何があったか話せるか?」


優しく問いかける声に



あたしは落ち着きを取り戻した 。




柚「 龍王・・・龍王の姫になれって・・・
俺らが守ってやるって・・・
あたしっ・・・あたし・・・っっ。 」


健 「 アイツらか・・・
・・・ 柚莉愛 、 俺から言えるのはアイツらは
ぜってぇーお前のこと裏切ったりなんかしない 。 」


お兄ちゃん・・・・・・




あたしが考えてる事は

何でも分かっちゃうんだね 。





「 おいっ !! 柚莉愛っ 。 」


息を切らしてそう叫ぶ声の主・・・



柚「 來翔くん ・・・ 」



來「 ・・・ 何で・・・佐々木と抱き合ってんの・・・?」



え・・・?




あたしはお兄ちゃんに抱きしめられてることを

すっかり忘れていた 。



柚「あっえっと 、 これは ・・・ 」

健 「 お前 、 柚莉愛のこと傷つけたら許さねぇーからな 。 」



お兄ちゃんはあたしの言葉を遮ると


來翔くんを威圧的な目で見てそう言った 。


來「あたりめーだろ 。 で 、 何で抱き合ってたわけ?」


挙動不審なあたし 。



健「・・・ふっ ( 笑 ) コイツは俺の妹だよ 。
だからぜってぇー傷つけんじゃねーぞ 。
命はってでも守れ 。 」


お兄ちゃん ・・・・・・


來「 ・・・ 妹?・・・まぁーそれはどうでもいい 。
心配すんな 。 お前に言われなくても柚莉愛は俺が守ってみせる 。 」


健「 ・・・あぁ 。 」




・・・お兄ちゃん・・・?


何で・・・何でそんな切ない顔するの・・・?・・・



來「 柚莉愛 、 行くぞ 。 」


柚「 えっ?・・・うっ、 うん 。」






この時あたしはまだ知らなかった 。





お兄ちゃんが何故あんな顔をしたのか 。




もっと早く気付いていれば ・・・




あんなことにならなかったのかな・・・?・・・






ごめんね 、 お兄ちゃん _____ … 。