私の教室につくと、夏海とは別れた。夏海は1D。私は1A。中学からの同級生で、お互いの合格が分かったときから、『おんなじクラスがいいね』と、言っていたからクラス発表の時は本当に心細かった。同じ中学で、この星林高校に受かったのは、夏海だけだったからクラスに知り合いがいるわけもなく…でも今では、
「おー恋冬間に合った。っしゃ俺の勝ちな」
「勝ちってなに?」
扉の近くに男子の顔がひきつった。
「いやさ、こいつが恋冬っちが間に合うか賭けようって」
「賭けねー酷いね成田くーん」
「ごっごめんってば、恋冬」
入学式の日、1Aで一番に来たのは私でその次に来たのがさっき顔がひきつって、今は土下座するんじゃないかってくらい平謝りしてる彼、成田真。今ではかなり仲がいい男子の一人。
「で、何賭けてたの。それ次第では許してあげよう。…あっもちろん真、私にもおごってね」
「購買のチョコパンだよ、恋冬っち」
「お、おい。野中、お前な…」
「チョコパンか。うん、許してあげよう。だから、おごってね真」
「分かったよ」
「「イェーイ」」
パチーン
私は野中くんとハイタッチをした。お昼に食べようとしてた購買代が浮いたー
「ほらー座りなさい」