「……でも他の人に言ってはいけないとは言わなかった」
ぼそりと呟いていた俺はあることを思いついた。
(よし、これでいこう)
思いついたアイディアを胸の内に秘めし、玄関まで残り数センチの距離を足早で歩いた。
……………
玄関にたどり着いた俺は、このむの名前を呼んだ。
「このみ、お待たせ」
「遅い!」
「ごめん、ごめん」
ぷうと頬を膨らまして俺を見つめるこのみ…。
何、この小動物…。可愛すぎるんだけど……。
抱きしめたい衝動を抑え、自分の手を彼女の頭において撫でた。
「本当にゴメンな?」
「…ゆ、許してやらなくもない」
素直じゃないなぁ…。