それは、初雪が降った日だった。

この地方は、あまり雪が降らない。だから、珍しいのだ。

年に一回か二回。今日は、クリスマスだった。

そこまで都会じゃない此処も、幸せそうな二人が充満する。

それは、私みたいなのには似合わなくて。

遠くから、幸せになってほしいと願うだけだった。

本当の気持ち。それは、わからない。

いつから、あなたを気になり出したの?

教えて、 その笑顔の向こう側。

そわそわしちゃうでしょ、そんな顔見せないで。 大好きなの。

それもこれも、あんたのせいだ。

***

私の名前は、柳 彩香。高校一年生。
ぶっきらぼうなのは性分、うまく感情を伝えられない。

私は基本的女子としか話さない。
だから、いきなり話してこられると、
戸惑う、それも悪いクセ。

「あーちゃん、一緒にかえろ」

この子は、私の幼馴染みの可愛い系ふわふわ女子の柳田 唯、苗字が似てるでしょ? これがキッカケで小学生の頃から仲良くなったの。

「あーちゃんっ、最近私、好きな人が出来たんだけど…、聞いてくれるっ?」

「うん!勿論、話聞かせて!」

私、基本的話を聞いたり人を応援することは好き。

だって、楽しいから。

「じゃ、昇降口行こうか!」

「うん!」

私の学校は男女が一緒の高校。

昔は女子校だったらしくて、制服が女子は可愛い。

それが私は嫌だった。

「あーちゃん、髪型変えたら?、絶対可愛いよ、」

「そんなの無理だよ…、」

「えー!いつもそうやって決めつけて!」

そう。すぐに自分に自信を無くす。
私は、親友の唯が可愛いからって、自分に自信がすぐになくなる。

恋だってそうだ。小学生の頃、好きな人が出来て、その人と仲良くなったのに、離れちゃって。

ずっと泣いてたなぁ、励まされたりして。

その時は本当にお世話になったわ…。

「そうだ、私戻るけど、私好きな人が隣のクラスにいてね…。」

こうやって、私も、もう一度、もう一度恋をしてみたい。