千尋は物心ついたときからずっと側にいた。

家も隣で年の近い互いの両親。教育にそれほどの熱意のない親たちのもと、普通に保育園、小学校、中学校、高校とずっと一緒だった。

このままずっと一緒に居るものだと思っていた。
お互い側に居ることが当たり前で、おれの気持ちだって当然知っていて、千尋も同じようにおれを好きでいるのだと。

高2の冬に千尋が地元を出るなんて言い出すまでは。