高級外車で連れて来られたのは。


「……すごい…お屋敷」


「うちの実家です。一応両親に挨拶してください」


「っええ!?」


大きな大きな門をくぐると、広い広い庭。その向こうに巨大な洋館。
正面から石畳の通路を車で進む。


「どういうことですかっ!?どういうつもりで」


「…僕のこと、嫌いですかやっぱり」


「……………う…っ」


「最初から嫌いですか??それとも嫌いになりましたか」


前を見据えたまま。


「………そんな、ことは。ですから、相応しいお相手を、と。相応しい方、女性と……幸せに、なってくだされば」


言いたくない言葉を絞り出す。


「くどいです」


「えっ」