「いい加減にしてください!!」


ついに切れてしまった。
そしてポカンとする董坂さん。


「…何を、怒ってるんですか??」


「そ、そりゃあ、怒るでしょうよ!!鍵やら荷物やら隠されて、勝手に住ませて勝手に雇うとか意味わからないですし!!結婚でもなんでもすればいいじゃないですか!!これ以上関わりたくないんです私は!!」


一気に吐き出した私は、ぜえぜえと息を切らした。


「…結婚なんかしませんよ」


落ち着いているのか驚いているのか、呟くように。


「聞きたくない!!ああもう!!じゃあ私、消えますから、ハナをお願いします!!」


「ちょっと待ってください!!」


「待ちません!!さようなら!!」


立ち上がって出ようとした腕を掴まれた。


「僕が傍に居てほしいのはあなたです!!」


「……知りませんよ」


「………っ、」


振りほどいて飛び出した。


―――涙で前が見えなかった。
こんなに感情的になって、人に怒りをぶつけたのは、大人になって初めてかもしれない。