「な…で!?デートって!?どこの誰と!?」


思わず動揺して、レジに入ろうとした栞の肩を掴む董坂。


「いっ!!痛いです!!何する…」


顔をしかめる栞。
客は少なく、もうひとつのレジで捌けていた。


苛立つ董坂。


「何で!?他の男とデートなんて…っ!?どこに行ったか知らねえのか!?」


「店長!!警察に…」


カウンターのカメラで見た店長が慌てて事務所から出てきた。


「董坂さん!!落ち着いてください、落ち着いてっ!!」


店長に抑えられてようやく我に返る。


「…すみません。僕としたことが、取り乱して」


「知り合いなんですか??店長」


痛みに堪えながら、掴まれた肩を撫でる栞。


「ああ、はい、大丈夫ですこの人は。…香芝さんも余計なこと言わないでください」


「……すいません。だってこの人橘さんにちょっかい出しそうで」


ふて腐れる。


「ちょっかいって!!俺はただ…」


もどかしそうに髪を掻く。


「心花せんぱい??」