「そそ、そんなわけないでしょう?!かっ、彼氏なんて図々しいと思って」


「僕は構わないよ??」


赤くなって慌てふためく私を抱き寄せて、頬にチュッとキスをした。


うひゃあ!!
洸亮さんのファンがいたら大騒ぎになるかも。


わりと誰にでもこういうことする人なんだろうな。


いやいや!!!
この際、この場では、仮にでも彼氏になってもらって、一旦落ち着こう私。


結婚する訳じゃないんだし!!


『婚約者』という言葉が蘇って、また頭をぶるぶるっと振って。
結局、玄関の入り口の壁で項垂れて落ち込む。


……私は何がしたいんだ???


「…姉ちゃん、大丈夫か??」


中に入る柚季に呆れられる。