「少しは落ち着いた??」


洸亮さんの部屋にいた。
このマンションの1階上の階だった。


「…何者なんですか??」


それなりにお家賃も高そうな、閑静な住宅街の駅前の、お洒落な高層マンションに住んでいるお兄様2人、と洸亮さん。


スバラシクイケメンでいらっしゃる。


「年子なんだ。似てるって言われるけど」


顔は同じ部類の、穏やかな、爽やかなイケメンだ。けれど性格の現れか、服装は真逆と言っていい。


白いロンTとダメージデニム。人差し指にトルコ石のシルバーリングのお兄さんが、


「僕は慶亮(ケイスケ)一個上の26歳」


マグカップタイプのグラスに淹れたホットレモンを出してくれた。
湯気が立っている。


「まさかこいつにマジカノが出来るとはね。あっ、俺は游亮(ユウスケ)一応長男、27歳」


言ってシャワーを浴びていたらしいお兄様がバスタオル片手に髪を拭きながら。


お母様名義の部屋にちょくちょく遊びに来ているらしい。
それでたまたまコンビニで出会ったようだ。


「すみません、突然押し掛けて」


まさに小動物のごとく、いつもに増して小さくなる私。