時間が止まったかのように、動けなかった。 ―――柔らかい感触。 暖かい。 目を閉じかけた。 「………っ!!ごめんなさい!!」 押し離すと、走って逃げた。 バクバクする。 ファーストキスだ。 こんなロマンチックな場所で。 女の子の憧れのシチュエーションで。 なのに。 バクバクは。 ―――ときめきとは違う気がした。