春の海


そして、いつものように誰とも話さず、席について持ってきた本を読む。

いつも教室の空気のようになった私に誰も目を向けようとしない。


でも、ただ一人、一人だけいつも、声をかけてくれる子がいる。

文芸部に入っている、川北そよちゃん。

そよちゃんは可愛くて男の子にも人気があるけど、少し天然。

今日も、
「おはよー。なこちゃん、今日もさむいねー


ってのほほんとした口調で話しかけてくれる。

「おはよう。そよちゃん。」

いつもそう返そうとするけど、

「おはよー!そよ!ちょっとこれ見てー!」

「なーに?いまいくー。」

邪魔される。


そよちゃんは何も悪くない、けど、たまにはもっと話してみたい。
叶うことはないかな。

そうして、私はSHRが始まるまで本に集中する。

たまに聞こえる、あいついっつも本読んでてキモい。とか、こわい。とか、に邪魔されないよう。