春の海


そうして、お母さんの味を再現しているうちに、ハンバーグはできた。


ちょうど玄関のドアが開く音がして、朱が帰ってきた。

「ただいまー」

「おかえりなさい、朱」

朱はこの後、決まって手を洗って着替えてから、卓につく。

だから、その間にできた料理をテーブルに運んでおく。

ハンバーグを作っている間に作っていたらスープとサラダも並べた。


「いただきます。お!今日はハンバーグかー。うまそう。そういやなんか、今日は豪華だな。なんかあったっけ?」

「何もないよ。食べよう」
何にもないよ、ただ、強いて言うなら、カウントダウンのはじめの日かな。


そのことは心のそこにしまいこもう。
そして何食わぬ顔で今日を過ごす