「めぐる」
放課後、私を後ろから呼び止める声。
よく知った声に私は立ち止まって振り返る。
そこにいたのは小学校から一緒の涼一。
「部活?」
「そ」
「頑張ってね」
「サンキュ、明日チョコよろしくね」
「ええ」
涼一には小学校の時からチョコをあげている。
当時クラスの女子たちが幼いながらにはしゃいでいたからそれに便乗しただけだけど。
それは毎年恒例となって、高校が同じになった今でもあげている。
「板チョコでいい?」
「義理だって一目でわかるね」
「義理以外になにがあるの」
苦笑した涼一は私の頭を一回叩いて、体育館まで走っていった。
義理以外なんてこの世にたくさんある。
でも届いて欲しい気持ちは届いてくれない。
明日はバレンタイン。
チョコにのせて気持ちを伝える日。

