そんな思いを噛み締めながら食べていると
「お前ら学校はどうだ?楽しんでるか?」
と、興味本位に店長が聞いてきた。
「俺は普通っすね〜、可もなく不可もなく生活してるって感じ。瑞希さんは?」
「私は…そういえば今日、席替えをして1番前の席になっちゃいました」
「あっはっは!いいじゃねーか勉強し放題だな!」
大口を開けて笑う店長と、
「隣のイケメン男子と恋がはじまるかもしれないっすね!」
イタズラに笑う翔に対し、
「なわけないでしょ」
と、少し萎えた気持ちで私は答えた。
「瑞希さんが恋愛とかあんまり想像できねぇ」
翔がからかいながら言うと
「若いんだからたくさん出会いが見つかるぞ?」
と、店長までも乗ってきた。
まったく…と思いながら思いきりナポリタンをかきこんだ。
私に恋なんて絶対にできるわけない…
思い出すのはいつもあの事ばかり。

