「げ、最悪。1番じゃん」

 廊下側の1番前から順に番号がふられていたので、私は教室の1番前の1番端っこになってしまった。
 
 しかも、ストーブがあるのは窓側の席なのでこれから3学期まで過ごすにはかなりのストレスになりそうだ。

 「瑞希どんまい」

 彩はからかう様にわたしに言った。

 全員が引き終わると一斉に席を移動し始める。ガタガタと大きな音を立てながらみんな机を動かす。

 隣の席はほとんど話したこともない普段大人しげな男子の小野くん。

 集団行動は苦手だけど、友達も普通にいるし担任にも恵まれたと思っていた。

 けど、これってどうなの。

 一番嫌な席に当たり、隣は仲がいい人でもなく、廊下から入ってくる隙間風が追い打ちをかける。

 

 “なんか最悪”

 こう思った。

 いや、こうとしか思えなかった。