「…覚えてない」
彩はため息をついた。
「あのね、なら、本当に気にしてみたら?瞬の事!
恋愛って案外楽しいもんよ?」
彩のセリフに言葉を詰まらせた。
「いや、でもさ、恋って、しようと思って出来るもんじゃなくて、気づいたら好きになってるのが恋なんじゃないの?分からないけど。
無理矢理に誰かを好きになろうとしてもそれが本当の恋になるのかな」
「瑞希ー、固いよ!固すぎる!そんなにガード強ければ誰からも好きになってもらえないよ!?
今後の人生で一度も恋愛しないつもりなの!?」
彩は右手で持っていたフォークを置いて頭を抱えるようにして言った。

