「店長に言われた通りもっと周りを見渡しました。
そしたら、後ろの席の男子に声かけられました。」
「なんて!?」
翔は身を乗り出すように話を聞いてきた。
「…担任から県外の大学パンフもらって悩んでたら、自分のやりたいこと見つければいいって…」
「ははは!そんな事言ってくるなんて、立派な青年じゃないか」
店長は笑いながら言った。
「なんすか?そいつ!なんだか偉そうッスね」
翔もからかうように言ってきた。
「別に偉そうではなかったけど…」
「お前のやりたいこと、何なんだ?」
店長が聞いた。
「…わからない、けど私は、母の力になりたいなって思ったから、だったら進学は難しいんだろうなって思いました」

