いつかそこに太陽は咲く


 彩には申し訳ないけど、結局何も話せず放課後になってしまった。

 「宮坂、ちょっといいか」

 帰ろうとした時、担任の吉岡先生に呼ばれた。

 「何ですか?」

 「実はな、最近お前の成績が良いって話題になってるんだ。どうだ、いい大学受けてみないか」

 そう言われて渡されたのが、県外の大学案内のパンフレットだった。

 「…まって、私そんなに成績良いの?」

 「あんなに勉強が苦手だったのが嘘みたいな成長ぶりだぞ?頑張ってるのが結果に出始めてるんだよ」

 私は大の勉強嫌いで一年の頃は成績も悪く進級するのにも一苦労だったけど、だからこそ必死になって勉強した。
 いつの間にか勉強する事が楽しくなって、私は勉強できないんじゃなくてしないだけなんだって、そう思った。
 でも、先生たちの間で私の努力を認められているのは嬉しかったけど、現実問題、母子家庭な上にそもそも進学することさえ困難だと痛感している。

 「先生ありがと、考えてみるね」

 私は先生に笑顔で答えて自分の席に戻った時、