「酒井君…」 女の子の声が震える。 「ずっと…好きだったの…。 良かったら…ラインだけでも交換して下さいっ!」 やっぱもっと早く逃げ出しとけばよかった。 居心地悪い… なんて思っていると、 「ごめん。そういうの興味ないんだ。」 「酒井っ!?」 「そっか…ごめんね…」 女の子が俯く。 「聞いてくれて…嬉しかった。 …ありがとう。さよなら。」 そう言って女の子は踵を返して駆け出して行く。 最後の方は少し、涙声だった気がした。