学園祭の翌日は菊女の代休で彼女に逢えなかったが、
その翌日にはまた彼女はいつものように電車に乗ってきた。

俺の気も知らないでいつものように英語構文集を捲る彼女にモヤモヤする。



(俺、君に逢いに行ったんだぜ?)



君は何も知らないだろうけど。



そう。

君は何も知らない。

俺のことも。

それに、俺がこんなに君を想っていることも。



そして俺も。

俺も君のことを知らない─