天使は、光の梯子のたもとに佇んでいた。

こんな人混みでも、あたかもそこだけが光輝くように…



白い肌に桜色の頬。

大きな瞳とそれを縁取る濃い睫毛。

さくらんぼのような艶めく小さな唇。

天使の輪が浮かぶ深いマホガニーブラウンのやや内巻きのセミロングの髪が、
更に白い肌を際立たせている。



その天使が人の流れに乗って歩を進め、電車に乗り込んだ。



俺は後を追うように車内に入り、固唾を飲んで天使を眼で追った。



と、天使に天使らしからぬ二つの違和感があった。



一つは背中に翼がないこと。



もう一つは…





着ているものがセーラー服であること─