誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

俺は同じ制服姿でバルーンを配る女の子たちをそっと確認する。



が、

そこには彼女の姿はなかった。



「いないの?」

一通り2年生の教室を回った後酒井が尋ねる。

「…あぁ。」

「1年かもしれないんだろ?そっちも見よ?」



俺たちは1年の教室に向かう。



しかしそこにもいない。



「中学生だったりとかは?」

菊女の学園祭は中学と共催だ。

「それはないかな。中学生は制服のリボンが赤だから。」

彼女のリボンは黒だからそれは分かる。