誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

ようやく階段を上り切ると、コンコースの眩しい照明に晒される。



(仕方なかったんだ。)



俯いて足早に改札口を目指す。

胸の苦しさに、眼の奥が熱くなる。

瞳を閉じてしまったら何かが溢れだしてしまいそう…



スクバの外ポケットからパスケースを取り出し、逃げるように改札口に駆け出そうとした。



まさにその時、





「白鳥さん!」





背後から私を呼ぶ声が聞こえた。



弾かれたように咄嗟に足が止まる。



分かってる…



その声が誰なのか…



私はゆっくりと振り返る。



そこには予想通り声の主の姿があった。





(楢崎さん…!!)