「白鳥さん。」 楢崎さんが私の名前を呼ぶ。 その声に心臓が跳ね上がり、胸がきゅっとする。 息が止まりそう… どうしよう… 「友達からでいいんで、 良かったら俺と 付き合ってください。」 「っ…!」 (うゎゎゎ!どうしよう!?) 緊張と動揺に身が固くなり、思わずマフラーの端を握りしめる。 私は俯いたまま楢崎さんをちらりと窺うと、彼は私を真っ直ぐ見つめていた。 同い年の男の子にしてはどこか可愛らしい容貌。 その瞳がじっとこちらに向けられている。 どうしよう…