誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

とても長く感じた間の後、楢崎さんがおもむろに口を開く。



「俺、朝いつも同じ電車だったんだ。

初めて白鳥さんを見た時から

「可愛いな」

って思ってて。」



「!!」



唐突な「可愛いな」なんて言葉についドキドキしてしまう。



でも…



か、「可愛いな」って…何!?

これって実はナンパ、だったりとか!?



だって、初対面の、仮にも女の子に「可愛い」って…

それって絶対チャラい!

…よね!?



そう言えばあんな落ち着いた口調で女の子に声掛けられるし…

実はすっごく慣れてたりする、とか…?



でも…



(絶対ひっかからないんだからッ!)

と、思いながらも自分の意思とは関係なく顔は火照ってしまう。



(照れちゃダメだ、私!!)



ぎゅっと眼を瞑り自分に言い聞かせる。