誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

緊張に表情が失せる私とは対称に、彼は柔らかく微笑んだ。



「ありがとう、来てくれて。」

「……」



なんて応えていいかも分からなくて、私はただ小さく首を振る。



いつしか同じ電車を降りた人々の姿は遠ざかって、そこには彼と私のふたりきりになっていた。

気付いてしまうとますますどぎまぎしてしまう…



「そうだ。良かったら昼飯一緒にどう?」

「えっ!」



私は再びふるふると首を振る。



無理!無理無理!

知らない人に付いていかない!

そんなの、幼稚園の子だって常識!



て言うか…



昼ごはんなんて喉通るわけないよーっ!



真冬だというのに変な汗が流れてくる。

思考は自分でももう支離滅裂…