「しょうがないな。白鳥、座って。」
あずぴょんに促されて席に座ると、ふたりがささっとメイクしてくれる。
(わぁ、なんか…女優さん気分…)
いちごシロップみたいなグロスを塗ってもらって完成!
と思ったところでふたりが顔を見合わせる。
「どうしたの?ねぇ、できた?」
わくわくして聞くけど…
「純、クレンジング持ってる?」
あずぴょんが言う。
「え、見たいよ!鏡貸して!」
「いや、止めといた方がいい。
白鳥ってさ…
メイク全っ然似合わない。」
「えっ!」
もしかして地味な上に女子力低いって言われてる!?
分かってるけど…
分かってるけど、やっぱ傷付く…
「白鳥はおめめぱっちりの薔薇色ほっぺだからね、
メイクするとオカメインコみたいになるわけよ。」
「インコ…」
女子どころか人間でさえないと!

