俺は前髪を掻き上げ、君の瞳を覗き込む。

漆黒の瞳は俺が映るのが見えるほど澄んでいて…



この瞳を無意味に翳らせたくない。



「15分。」



「…え?」



「15分、いや、10分でいいから。

俺と、お茶しませんか?」



唐突な俺の申し出に君が眼をぱちくりとさせた。



「分からないなら聞いてよ。

聞いて、分かって、それでもやっぱり俺じゃないなら、その時ははっきり言って。

それならきっぱり諦められるから。

多分君にとってもその方がすっきりするでしょ?」



君の大きな瞳が俺を見ている。

俺はそれを見つめ返す。



もしも天使がいるのなら、



ねぇ



この女神に俺の想いを伝えて下さい。



俺のこと、もっと知って欲しい。



そして



君のこと、もっと知りたい─