もう一度強い風が舞う。



何と返したらいいか分からなくて、空を仰いで息を吐く。



「…そっか。そうだよね…」

なんとか絞り出した言葉と共に君に眼を向けると…



やっぱり君は悲しげな瞳で、両手を口に当てて俯いていた。



そういう顔、させたくなかったんだ。

やっぱり俺の気持ちは…

秘めたままの方が良かったのかな…?



「…ごめんなさい。」

可愛らしい声は力なく消え入るようで。

俺は一刻も早く君を解放してあげなきゃいけない気がした。



「俺こそ、ごめんね。」



やっと君が顔を上げる。

切ない表情に胸が苦しくなる。