誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

電車を降りた人の波はいつしか遠ざかり、君と俺、二人だけがホームに佇む。



「そうだ、良かったら昼飯一緒にどう?」

「あ…」



口元に指を当てて俯く君。

暫しの沈黙の後、君はゆっくりと口を開く。



「私は…」

それだけ言ってまた小さく首を振る。



警戒してる?

そりゃそうか…



「ごめん、急に呼び出して。驚くよね?」

「……」

「俺は海成高校3年の楢崎ヒカルって言います。

君は?」

「えっと…私…

…白鳥です。白鳥、かすみ。」

「白鳥かすみさん…」



ずっと知りたかった君の名前。

やっと呼べた…

やっぱり…名前も可愛い。



でも。



それ以上は会話が続かなくなる。



いよいよ本題に入るしかない…