誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

電車から降りる人はまだ少なく、見渡すと直ぐにそこに彼女の姿がないことが分かる。



(次の電車かな?)

それとも…

(来てくれるのかな…?)



いや、前向きに!

来る!絶対来る!!

思わず頭をぶんぶん振る。



コンコースに繋がる階段の下辺りに立つ。



北風が線路を横切り、ホームからホームへと吹き渡る。

静かな構内に他の路線のアナウンスが風に乗って響いてくる。

ドクン、ドクン、と胸の音が聞こえる。



(大丈夫。)