誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

電車が減速し、いよいよいつもの乗換駅が近付いてくる。



真摯に想ってきたのは事実だ。

自分でもこんなに好きだなんて気持ち、真っ直ぐに想うものだと思わなかったくらい。

それは彼女にとって幸せなのかな?

誰かに誠実に想われることは…



(きっと、幸せだ!)



そう思うことにする!



「ありがと、酒井。」

「おぅ。」



駅に着き、ドアが開く。



外は冬の太陽の欠片がキラキラと零れ落ちる。



行こう。



「ピカル。」



立ち上がった所を呼び止められて振り返る。



「頑張れ。」



愛想もなくシンプルだけど、酒井らしいエール。



「連絡する。」

「あぁ。」



俺は酒井と別れ、ホームに降り立った。

     *  *  *