誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

次の駅を出た頃、ようやく酒井が口を開いた。



「告白の鉄則は「絶対良い結果しか想像しないこと」なんだって。」



「え…?」



酒井らしからぬ言葉に驚く。



「俺が言ってもピンと来ないと思ったろ?」



仰る通りで…。

俺が誤魔化し笑いする。



「お前さぁ、今上手く行かなかったケースばっか考えてたろ?」

「……」

「生真面目なピカルらしいけどさ、悲愴感漂ってるから。」

悲愴感漂ってんのか、俺…

酒井の言葉に若干傷付くけど、悲愴感は確かにヤバい。



「堂々としてろよ。そういうのって伝わっちゃうじゃん?なんか。

ピカルの場合「お前、俺と付き合えてラッキーだから。」くらい思っとくくらいで丁度良いよ。
元が謙虚過ぎるくらいなんだから。

実際さ、こんなに真摯に想われて、天使ちゃん幸せだと思うよ?俺は。」