誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

駅に着くと直ぐに上り電車のアナウンスが流れる。



逆方向に帰る的矢が

「ピカル、頑張れ。」

と右手を差し出す。

「ありがとう。…なんか、いろいろ。」

と俺がそれを握ると、的矢が手に力を込める。



「いい報告、待ってっから!」



「…うん。」



やって来た電車に俺と酒井が乗る。



「大丈夫。一にも二にも押しだ!押し!」



的矢がニカッと笑って手を振る。

隣で酒井は

「それはどうかと思う…」

と苦笑いするけど。



ドアが閉まり、電車が動き出す。