誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

的矢が的矢の彼女に予め聞いておいてくれて、今日は菊女が俺たちより10分早く終わるのが分かっている。

1駅分余分にかかる時間も考えると、ホームルーム終了後直ぐに飛び出さないと彼女を待たせてしまうかもしれない。



いや、待ってくれればいい。

下手したら帰られてしまうかもしれないし。



チャイムが鳴り、日直の号令が済むと同時に俺は教室を出る。



と、後ろから酒井と的矢が追ってきた。



「ピカル、一緒に行こうぜ。」

「え、いや、俺…」

「急ぐの分かってるから大丈夫。

最後の激励させろよ。」



そう言って、三人で早足で駅に向かうことになる。



道中二人が、最近売れてきたお笑い芸人がどうだとかどうでもいいような話を話しかけてきたけど、
申し訳ないけど実はあんまり聞こえてなかったんだけど…

でも二人が一緒にいてくれて、確かに俺は無駄な緊張を取り除いてもらえたんだと思う。