誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

その時、電車が揺れ、後ろから人波がこちらに押し寄せてくる。

俺は咄嗟にドアに手を突いた。

掌がドン!という音をたて、彼女が俺の方に顔をあげる。



間一髪彼女を守れたけど…



壁ドンならぬドアドンで見つめあってる状況…

しかもその距離数十cm…



(う、うわぁぁぁぁぁ!)



完全にパニック!

頭の中でもう一人の俺がじたばたと走り回る。



慌てて眼を反らす。



もしかして、ともすると、声を掛けるチャンスだったり…?

今なら確かに、明日彼女と二人で登校するのに間に合う。