「明日は…」
ゆっくりと俺が口を開く。
二人が顔を見合わせる。
「…やめとく。」
俺がそう言うと即座に二人は頷いた。
「そうだな…
折角良い台詞考えてんだからさ、しっかり作り込んでこう。」
「もう一日。もう一日頑張ろうぜ。
焦ることねぇよ。」
いや、焦るだろ!
彼女と登校できるにはホントは明日告白するしかないんだから!
それに…
もし明日の練習も上手くいかなかったら…
告白できずに卒業することになる。
やっと、やっとの思いで決意したのにそんな結末、切な過ぎる…
「ピカル、そろそろ塾。」
酒井が呼ぶ。
「あぁ…」
寝不足も重なってとても授業に集中できる気はしないけど。
俺は今日も重い足取りで学校を出た。
* * *

