「…友達でいいんだけどな。」



空を見ながら俺が呟く。



「友達でいいから、彼女のこともっと知りたい。

片想いでいいから、彼女のこともっと好きになりたい。」



「……」



「これからも…彼女を想える距離にいたい…」



車窓には見慣れた駅の景色が流れ始める。

ブレーキが掛かり、身体に重力を感じる。



その瞬間、酒井に何かスイッチが入った。