突然酒井が俺の肩を押した。

更に電車の加速に押され、俺はバランスを崩す。



「うわ…!」



俺の声に周りの乗客が振り返る。

そして彼女もノートから顔を上げる。



同時に俺はドアの方へ2、3歩よろけて、彼女の眼の前に出る格好になった。



めっちゃ至近距離…



美しい彼女の顔が…

こんなに、近い…



激しく鼓動する心臓。



俺今脈拍どんくらいだろう?

心臓が破裂するかもしれない…