「お待たせしましたってごめん丁度本取り出したところだったね」

「いや、大丈夫だから。まだ読み始めてなかったしね」

本日のパスタはカルボナーラだったようで、半熟の卵がトッピングされていた。

「では、ごゆっくり」

海堂君はまるで長年飲食店で働いたことのあるように滑らかな動きでカルボナーラの皿と、レシートを置いて、会計を待っていた若い夫婦のもとに向かった。おいしそう。フォークで卵を割ると見事に半熟になっていた卵がトローンと出てきた。私じゃここまでうまく半熟にならないもんな……しっかりと半熟の卵とパスタを絡ませて、私はカルボナーラを食べた。