母、いつ子が用意してくれた夕飯を賑やかに食べ、ケーキを切り分けると午後9時だった。
「明日は休みだろ? 泊まってけよ。」
父、周平の言葉に涼平は「え?」と凍りついた。
ひとつ屋根の下で、好きな相手が他の男と眠るのかと思うと暗澹たる気持ちになった。
「なんだよ涼平、いやなのか?」
周平が意外そうに聞いてくる。
「・・・てか・・・泊まるとなったら兄貴と親父馬鹿みたいに飲むだろ・・・酔っぱらいうるさいし・・・」
「お前も飲め。」
「未成年だよ。」
「真面目だな、お前は。」
親父が不真面目すぎるんだよ!
「親父ゴメン、明日朝から出かけなくちゃなんないから、俺ら今日は帰る。」
黙り込んでいた匡平がポツリと言った。
「そうなの? 残念。朱希ちゃん、またいつでも来てね。匡平は置いといていいから。」
「置いとくなよ。俺も来るよ!」
笑いの輪の中、涼平はホッと胸を撫で下ろした。
帰りがけ朱希が「涼平くんこれ・・・」と小さな包を手渡した。
「え?」
「遠慮するかも・・・と思って実はコレだけは用意しといたんだ。ありがちだけど万年筆。邪魔になんないし、良かったら使って?」
「あ・・・ありがとう。」
「じゃ、おやすみなさい。」
周平やいつ子にも頭を下げ、朱希と匡平は帰って行った。
帰る道すがら、朱希は疑問を匡平に投げかけた。
「ね、匡平、明日どっか出掛けるの? なんか言ってたっけ?」
「ウソ、朱希と早く二人きりになってイチャイチャしたくて。」
「もう。」
そうは言ったが匡平は家に帰っても、朱希に手を触れなかった。
いつもと違って静かな匡平に「疲れてるのかも」と朱希は優しく彼の頭を抱き寄せた。
「よしよし。」
朱希に頭を撫でられながら、匡平は目にしてしまった情景を思い起こしていた。
「明日は休みだろ? 泊まってけよ。」
父、周平の言葉に涼平は「え?」と凍りついた。
ひとつ屋根の下で、好きな相手が他の男と眠るのかと思うと暗澹たる気持ちになった。
「なんだよ涼平、いやなのか?」
周平が意外そうに聞いてくる。
「・・・てか・・・泊まるとなったら兄貴と親父馬鹿みたいに飲むだろ・・・酔っぱらいうるさいし・・・」
「お前も飲め。」
「未成年だよ。」
「真面目だな、お前は。」
親父が不真面目すぎるんだよ!
「親父ゴメン、明日朝から出かけなくちゃなんないから、俺ら今日は帰る。」
黙り込んでいた匡平がポツリと言った。
「そうなの? 残念。朱希ちゃん、またいつでも来てね。匡平は置いといていいから。」
「置いとくなよ。俺も来るよ!」
笑いの輪の中、涼平はホッと胸を撫で下ろした。
帰りがけ朱希が「涼平くんこれ・・・」と小さな包を手渡した。
「え?」
「遠慮するかも・・・と思って実はコレだけは用意しといたんだ。ありがちだけど万年筆。邪魔になんないし、良かったら使って?」
「あ・・・ありがとう。」
「じゃ、おやすみなさい。」
周平やいつ子にも頭を下げ、朱希と匡平は帰って行った。
帰る道すがら、朱希は疑問を匡平に投げかけた。
「ね、匡平、明日どっか出掛けるの? なんか言ってたっけ?」
「ウソ、朱希と早く二人きりになってイチャイチャしたくて。」
「もう。」
そうは言ったが匡平は家に帰っても、朱希に手を触れなかった。
いつもと違って静かな匡平に「疲れてるのかも」と朱希は優しく彼の頭を抱き寄せた。
「よしよし。」
朱希に頭を撫でられながら、匡平は目にしてしまった情景を思い起こしていた。
