「この手紙、君の?」
「…はい。
花村遥斗(ハナムラハルト)くん…」
鈴原杏菜(スズハラアンナ)、高校2年生。
今から私は、一世一代の告白をします。
そのお相手は、同じく高校2年生、花村遥斗。
女子からも男子からも絶大な人気を誇る彼。
ほぼほぼ玉砕覚悟で、いざ参る。
「私と、付き合ってください。」
震える手を差し出し、深く頭を下げる。
私の初めての告白…花村くんはどう感じているのか…
「俺、こんなに大層な告白されたの初めて。
…いいよ、付き合おうか。」
「え…!」
これは夢?それとも夢?やっぱり夢?
あの花村くんが私と付き合う?!
「でも、俺飽きっぽいから、飽きたら別れてね。」
あ、現実だ。
花村遥斗の噂その一、来るもの拒まずだが、かなりの飽き性。
付き合った数はたくさん、付き合った期間は最長1ヶ月。
「俺を頑張って楽しませてね。」
花村遥斗の噂そのニ、誰も好きにならない。