私服から部屋着に着替える。

桜ヶ丘は、服装の規定は特にないのだ。
制服みたいなのを着てる人もいるけど。


面倒でもあるが、暑さや寒さに対応しやすいという利点がある。



―――ソファーに座って、雑誌を読んでしばらくすると、ドアの向こう側から「秋、夕飯できたぞ~。」声がかかる。

「…ん。」

返事をして、雑誌をとじる。




一階にいくと、食欲をそそるいい匂いがする。
あのひとの作るモノは、バリエーションが多くて、とても美味しい。

頻繁にデザートなどのお菓子も作るし、それぞれのアレルギーも考慮して、まさにハイスペック人間。

今日のメニューは
ハンバーグとご飯、スープ、サラダ、デザートのゼリーだ。





めずらしく、全員揃っての夕食らしい。
大概、誰かしらいないから。
あのひとも少し嬉しそうだ。