一体どうしたのだろうか、と頭の上にいくつものハテナが浮かんだ。
「そのえっと、よく考えたら、あんまり遠くに出かけたことがないと言いますか、そのなんか、ちょっと映画とか遊園地がないと言いますか、それはあの……」
カタコトの微妙な敬語で話し始めたふうちゃん。
「電車で隣町とか、えっとカフェとかそういう感じがしたことないって言いますか……」
さっきからふうちゃんが言ってることをまとめてみれば、
・遠くに出かけたことがない=隣町に電車で行ったことがない
・映画館、遊園地、カフェに行ったことがない
つ、ま、り、俺と行きたいってことだと解釈してもいいという訳、?
「行きたいの?」
「そ、そう」
とても照れてるふうちゃん。
「ふうちゃんがデートの誘いくれるなんて珍しい」
「だ、だって湊遠くに誘ってくれないもんっっっ!?」
なんだか突然キスしたい衝動に襲われた俺はしてしまった。

